はじめに
英単語を覚えるために生成AIを活用することができます。
単語帳を何周してもいつもあの単語の意味を忘れてしまう…といった経験はありませんか? そんなときは、自分の興味のある話題に引きつけると覚えやすくなります。
このページでは、私が覚えにくかったtangible(具体的な), provenance(起源、出所), withhold(保留する、抑える)という3つの英単語を例に、これらを覚えるための生成AIの活用法を紹介します。今回はモデルとしてChatGPT-4o miniを使いました。
実際のやりとり
私はサッカーが好きなので、まずは以下のようなプロンプトを入力しました。
プロンプト
tangible, provenance, withholdという3つの英単語を使って、サッカーを題材とした簡単な英文を出力してください。
出力
Sure! Here’s a simple sentence with those words:
"The coach needed tangible evidence of the player's improvement and decided to withhold the decision until he confirmed the provenance of the training reports."
この文では、「tangible(具体的な)」、「provenance(出所)」、「withhold(保留する)」を使って、コーチが選手の成長を確認するために、トレーニングレポートの出所を確認するまで決定を保留したという内容を表現しています。
プロンプト
もう少しサッカー特有の設定にしたいので、場面を「試合」に限定してみます。
サッカーの試合を題材とした英文に修正してください。
出力
Here’s the revised sentence focusing on a soccer match:
"The referee needed tangible proof of the foul and decided to withhold the red card until he confirmed the provenance of the video evidence."
この文では、「tangible(具体的な)」、「provenance(出所)」、「withhold(保留する)」を使って、サッカーの試合中に審判がファウルの明確な証拠を必要とし、ビデオ証拠の出所を確認するまでレッドカードの提示を保留したという内容を表現しています。
使った感想
生成AIを使うことで苦手な英単語を興味のある文脈の中に位置づけることができ、覚えやすくなりました。対話を続けていけば、より自分の関心に近い文章を出力させることができます。今回の例では最終的にVAR*判定の場面を取り上げた文章が生成され、面白かったです。このように、生成AIは個別最適化された英語学習を助けてくれると思います。 *VAR: Video Assistant Referee。判定をビデオを用いて行う審判員のこと。
サッカー以外に興味のある話題でも試してみると、覚えたい単語を多面的に理解できるかもしれません。
難なく覚えられる単語は単語帳等を活用し、覚えにくいものだけをピックアップして今回のやり方を試してみると効率的に学習できそうです。
一方で、出力される文章のフレームが決まっており味気ない印象も受けました。今回の例では、出力された文章はどれも「Xは明確なYを必要とし、Zの出所を確認するまでWを保留した」という構造をしていました。別の構造を持った文章が欲しければ、プロンプトで条件を指定すればよいでしょう。
また、出力を見るとはじめのリアクションが英語になっており、英語と日本語の併用がやや不自然に感じられました。
注意点
英作文自体を課題にするとAIが生成した文章のコピペで済んでしまい、学力向上につながらない懸念があります。今回はあくまで英単語を覚える手段として生成AIを活用している点が重要です。
更新履歴
- 2024年9月28日
- 誤字を修正しました
- VARに関する補足をしました