本記事は、2026年04月24日に行われたオンラインイベント「生成AIに関する最新情報の提供」にて紹介された最新情報をもとに、生成AIを活用して記事を作成しています。
オンラインイベントの詳細: https://edulab.t.u-tokyo.ac.jp/2026-04-24-event-report/
生成AIが校務の中核に
まず、文部科学省の「学校教育情報化推進計画」が改定されました。ここで注目したいのは、生成AIが一部の先生だけが試すものではなく、学校全体の仕事を支えるものとして位置づけられ始めている点です。
特に大きいのは、「半分以上の教職員が生成AIを校務で活用する学校の割合」を、2025年度の17.2%から、2027年度には50%にするという目標です。ここでいう校務には、教材作成、通知文作成、会議記録、アンケート集計、保護者対応などが含まれます。つまり、授業準備だけでなく、日々の学校運営にも生成AIが入ってくるということです。
ただし、使えばよいという話ではありません。学校では、児童生徒や保護者に関する情報を多く扱います。個人情報を入力してよいのか、出てきた内容に間違いがないか、著作権の問題はないか、誰が確認するのか、といった点を丁寧に考える必要があります。便利さだけでなく、責任を持って使うためのルールづくりが欠かせません。生成AIの導入は、単なる道具の導入ではなく、学校の仕事の進め方そのものを見直すきっかけになると思います。
参考リンク:
https://www.mext.go.jp/content/20260331-mxt_shuukyo01-000027313_002.pdf.pdf
AIで研究の進め方が変わる
次に、文部科学省の「AI for Science」の動きです。これは、AIを研究の補助に使うだけでなく、研究の進め方そのものを変えていこうという考え方です。研究では、問いを立て、実験を考え、結果を調べ、分かったことを整理していきます。これまでは、その一部をAIが手助けするという位置づけが多かったのですが、これからは最初から最後までAIを深く組み込む流れが強くなっています。
この動きは、大学や研究機関だけに関係するものではありません。高校や大学での探究学習にもつながります。これからの学習者には、AIに答えを出してもらうだけではなく、AIと一緒に問いを考えたり、データを整理したり、結果を見直したりする力が求められていきます。つまり、AIを「調べ物の道具」としてだけ見るのではなく、「考える過程を支える相手」として使うことが大事になります。
実際に、AIを使った研究を支援する事業も始まりつつあります。1年単位で最大500万円規模の支援があり、審査の一部にもAIを取り入れる動きがあるようです。方針が示されるだけでなく、具体的なお金や事業も動き始めているところに、流れの大きさを感じます。教育の現場でも、研究や探究のあり方が変わっていくことを前提に、AIとの向き合い方を考える必要があります。
参考リンク:
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shinkou/077/aifors_strategy.html
https://www.mext.go.jp/content/20260403-mxt_jyohoka01-000048752_1.pdf
政府AI「源内」が広げる可能性
デジタル庁のガバメントAI「源内」が公開されたことも重要です。これは、政府が整備したAIの仕組みを外部にも使いやすい形で公開する動きです。学校や自治体がゼロから同じような仕組みを作るのは大変ですので、こうした土台が公開されることには大きな意味があります。
「源内」では、画面の仕組み、開発のひな形、行政の仕事に使える検索・回答の仕組み、制度に関するAIアプリなどが対象になっています。また、2026年5月から全府省庁職員約18万人を対象に大規模な実証を行い、2027年度から本格利用を始める流れが示されています。国の中で実際に使われ、改善されていけば、自治体や教育委員会にとっても参考にしやすい事例が増えていくはずです。
学校や教育委員会では、文書作成、校務支援、制度の確認、研修資料作成、問い合わせ対応などに活用できる可能性があります。ただし、公開されたからといって、すぐに現場で使えるわけではありません。運用する人、管理する人、問題が起きたときに対応する人が必要です。無料で使えるように見えても、実際には運用の手間や費用がかかります。それでも、独自開発の負担を減らせることは大きな利点です。現場で使うには、便利さと管理の大変さの両方を見る必要があります。
参考リンク:
https://www.digital.go.jp/news/907c8e5d-2f4f-4bd7-9400-37c9f4221d7d
https://www.digital.go.jp/news/2d69c287-2897-46d8-a28f-eea5a1fc9bce9
https://www.digital.go.jp/policies/genai
https://github.com/digital-go-jp/genai-web
https://github.com/digital-go-jp/genai-ai-api
オーストラリアに見るAI安全の国際連携
海外の動きとして、Anthropicとオーストラリア政府がAIの安全性や研究で協力する覚書を結びました。ここで大事なのは、AI企業と政府が、技術の発展だけでなく、安全性、研究、人材育成をまとめて進めようとしている点です。
生成AIは、性能が上がるほど便利になりますが、同時に使い方を誤ったときの影響も大きくなります。そのため、政府がAI企業と連携し、安全性を調べたり、リスクを理解したり、政策づくりに必要な情報を得たりすることが重要になります。今回の協力では、オーストラリアのAI安全に関する機関との連携や、安全性の評価、リスクの把握などが含まれています。
また、研究面では、オーストラリアの主な研究機関にClaude APIの利用枠を提供し、遺伝子の分析や希少疾患の研究などに活用することが示されています。ここでも、AIを研究に使う流れが世界的に広がっていることが分かります。
教育面では、コンピュータサイエンス教育にAIを組み込む方向性が示されています。AIを使ってよいかどうかだけを議論する段階から、AIを前提にどのような学びを設計するのかを考える段階に入ってきています。
参考リンク:
https://www.anthropic.com/news/australia-MOU
AIの動画生成が教育現場に近づく
Googleの動画生成AIであるVeo 3.1 Liteと、動画を高画質にする機能も紹介しました。ポイントは、動画生成が特別な制作会社だけのものではなく、教材、広報、説明動画づくりにも入ってきている点です。
Veo 3.1 Liteは、低い費用で、何度も試しながら動画を作ることに向いたモデルです。また、作った動画を1080pや4Kといった高い画質に変えることにも対応しています。以前であれば、画質の低いものを高画質にするというのは、映画の中のような話に感じられたかもしれません。しかし、今はそれが実際にできる世界になってきています。画像だけでなく、動画でも同じような変化が起きています。
教育現場では、理科の実験手順を分かりやすく見せる動画、学校行事の紹介、地域向けの広報、探究活動の発表動画、保護者向けの説明などに使える可能性があります。短い説明動画を手軽に作れるようになると、授業準備や情報発信の形も変わっていくと思います。
一方で、動画は文字以上に影響力が大きいものです。実在する人に見える映像、実際に起きたように見える出来事、本人のものに聞こえる声などが作れてしまうと、誤解や悪用につながる可能性があります。著作権、肖像権、児童生徒の顔や声の扱いには特に注意が必要です。教育現場では、使う範囲と確認の仕方を事前に決めておくことが大切です。
参考リンク:
https://ai.google.dev/gemini-api/docs/changelog
https://ai.google.dev/gemini-api/docs/models/veo-3.1-lite-generate-preview
https://ai.google.dev/gemini-api/docs/video
AIがサイバー防御を支える時代へ
今回、特に大きな動きだと感じたのが、Claude Mythos Preview / Project Glasswingです。2026年4月7日の動きとして紹介しました。これは、重要なソフトウェアや公開されている仕組みの弱点を見つけ、守るための取り組みです。
Mythosは、Anthropicにおける最高性能のAIで、システムの弱点を見つけたり、修正を支援したりする目的で使われ始めています。ただし、性能が非常に高いため、一般には公開されていません。なぜなら、弱点を見つける力は、守るためにも使えますが、攻撃するためにも使えてしまうからです。サーバーやシステムの弱点を大量に見つけられるAIが広く使われると、悪用される危険があります。そのため、まずは防御側で使われる流れになっています。
この話は、学校や教育委員会にも関係があります。学校では、校務システム、クラウドサービス、端末、学習支援の仕組みなど、多くのデジタル環境を使っています。AIが攻撃にも防御にも使われる時代になると、便利なAIを使うだけでなく、学校の情報をどう守るかが非常に重要になります。
さらに、今後はロボットのように現実世界で動くAIも増えていくと考えられます。そうなると、コンピュータ上の攻撃が、現実世界の物理的な被害につながる可能性も出てきます。そうした時代の前に、防御の仕組みを整えていくことは大切です。この1〜2年で、AIと安全性をめぐる状況はかなり変わっていくと思います。
参考リンク:
https://www.anthropic.com/project/glasswing
https://red.anthropic.com/2026/mythos-preview/
Claudeで資料制作が進化する
Anthropic関連では、Claude Opus 4.7とClaude Designも紹介しました。Claude Opus 4.7は2026年4月16日、Claude Designは2026年4月17日の動きです。大きなポイントは、生成AIの役割が文章作成だけでなく、スライド、提案資料、ワークシート、試作品づくりなどに広がっていることです。
Claude Designは、画像、文書、PPTX、XLSXなどを入力しながら、資料やデザインを対話的に作れる環境です。たとえば、スライド、1枚資料、授業用の説明資料、企画書のたたき台などを作る場面で使える可能性があります。さらに、Canva、PDF、PPTX、HTMLへの出力や、コメントをもとにした修正にも対応するとされています。
教育現場では、教員が教材、ワークシート、授業スライド、校内研修資料を作るときの負担を減らせるかもしれません。生徒にとっては、探究学習の発表資料や試作品づくりの支援になります。学校管理職や行政にとっても、保護者向け資料や予算提案資料を整えるときに役立つ可能性があります。
ただし、見た目がきれいであればよいわけではありません。教育で使う資料は、内容が正しいこと、児童生徒に分かりやすいこと、学習のねらいに合っていることが重要です。AIはたたき台づくりには非常に便利ですが、最後に確認し、授業や学習に合う形に整えるのは人間の役割です。制作の手間は減りますが、教育としての判断はますます大切になります。
参考リンク:
https://www.anthropic.com/news/claude-opus-4-7
https://www.anthropic.com/news/claude-design-anthropic-labs
Codexで仕事の自動化が進む
OpenAI Codexの大規模更新も重要です。2026年4月16日の動きとして紹介しました。ポイントは、AIによる支援が、単にコードを書く手助けから、仕事全体を進める方向へ変わってきていることです。
今回の更新では、AIが裏側でコンピュータを操作したり、アプリ内のブラウザを使ったり、複数の作業画面を扱ったりできるようになる流れが示されています。PDF、スプレッドシート、スライド、文書などをまたいで処理することも想定されています。また、Slack、Gmail、Notionなど多くのサービスとつながり、必要な作業を提案する方向にも進んでいます。
特に注目したいのは、バックグラウンドで作業できる点です。これまでのAIによるコンピュータ操作では、人間が使っているマウスやキーボードをAIに取られるような感覚があり、使いにくい面がありました。しかし、AIが裏側で別の作業を進められるようになると、人間の作業を邪魔せず、別の処理を任せることができます。これは仕事の進め方に大きな影響を与えると思います。
学校や自治体では、ICT管理、システム整備、データ整理、Web教材作成などで使える可能性があります。ただし、個人情報、外部サービスとの接続、操作の記録、誤った操作への対応などを考えずに導入するのは危険です。AIに作業を任せる時代は近づいていますが、何を任せ、何を人間が確認するのかを決めることが重要になります。
参考リンク:
https://openai.com/index/codex-for-almost-everything/
GPT-5.5が知的作業を支える
OpenAI GPT-5.5の発表も大きな話題です。2026年4月23日の動きとして紹介しました。GPT-5.5は、単に質問に答えるAIというより、調査、分析、文書作成、コード操作などを横断して進める、知的作業の土台として位置づけられます。
これまでのAIは、一つの質問に答える使い方が中心でした。その後、外部の道具とつながり、調べたり計算したりできるようになりました。さらにGPT-5.5では、より長く続く作業を自律的に進める方向が強まっています。文書、スプレッドシート、スライドを扱い、オンライン調査から分析、ソフトウェア操作までを一つの流れで進められることが特徴です。
教育や業務への影響も大きいです。授業準備、探究活動の伴走、アンケートの整理、データ分析、ICT管理など、これまで時間がかかっていた作業をまとめて支援できる可能性があります。たとえば、授業案を作り、関連資料を探し、ワークシートを整え、振り返りの集計まで支援するような使い方が考えられます。
一方で、課題もはっきりしています。AIが出した情報の出典を確認すること、評価方法を見直すこと、児童生徒がどこまで自分で考えたのか見えにくくなることへの対応が必要です。AIが多くの作業を代わりにできるようになるほど、人間が考えるべき部分をどう残すかが重要になります。モデルの進化の速さを見ても、教育現場として無視できない段階に入っています。
参考リンク:
https://openai.com/index/introducing-gpt-5-5/
https://openai.com/index/gpt-5-5-system-card/
まとめ
今回の最新情報を全体として見ると、生成AIは「文章を作る道具」や「質問に答える道具」から、学校、研究、行政、開発、動画制作、安全対策までを支える土台へ変わりつつあります。文部科学省の学校教育情報化推進計画では、生成AIが校務を支えるものとして位置づけられました。AI for Scienceでは、研究の進め方そのものを変える流れが示されました。デジタル庁の「源内」では、公共部門でも使えるAIの土台が共有され始めています。
サービス面でも変化は大きいです。Veoでは動画づくりが身近になり、Claude Designでは資料づくりの支援が広がり、CodexではAIが作業を裏側で進める方向に進んでいます。GPT-5.5では、調査や分析、文書作成などをまとめて支える流れが見えてきました。今後は、AIに単発で質問するだけではなく、一定の作業を任せることが当たり前になっていく可能性があります。
その中でも、特に印象に残ったのはClaude Mythos / Project Glasswingです。性能が高すぎて一般公開が難しいモデルが出てきており、それがまず防御のために使われているという話は、生成AIの進化が便利さだけではなく、安全や社会の基盤にも深く関わっていることを示しています。
教育現場では、生成AIを使うか使わないかという段階から、どのように人間中心に使うかを考える段階に入っています。授業準備や校務は効率化できますが、出典の確認、評価の見直し、児童生徒の思考をどう守るかは重要です。AIに任せるところは任せ、人間が考えるべきところは残す。その線引きを現場ごとに具体的に考えることが、これからの生成AI活用で非常に大切です。